平成30年9月4日 第3回議会定例会開会の挨拶
更新日:2021年6月2日
お早うございます。本日は平成30年第3回板倉町議会定例会を招集いたしましたところ、公私ともご多忙の中を御出席いただきましてありがとうございます。
今年も残暑と台風シーズンに入っており、今朝も台風21号が勢力を落とさずに四国周辺に上陸しようとしています。38℃から39℃の猛暑と台風の発生も既に21個を数え、異常な年としての記録を更新しているようであります。今回も本土直撃型であり被害がないことを祈っています。田植え以降の平均気温も高めで推移しており、収量の話もまだ入ってきていませんが、この高温続きでは品質収量に何らかの影響が無ければと思っています。秋野菜の中心である抑制胡瓜もあまりの高温に品質に影響があるのではと心配されているようであります。6、7、8月の熱中症の救急搬送も前年の8件から2.2倍増(10件増)の18件ということで、もう少しの期間であろうと思いますが暑さに対する心配が続いていますし、今後の台風の発生数も史上最も多くなる可能性があると言われていますので、先般の館林市野辺町から邑楽町にかけての竜巻の被災と合わせて本格的台風シーズンに入っていますので自然災害の発生にこれからがいよいよ本番ということで気の抜けない状況が続くところであります。
世界経済も米国の利上げ傾向の影響に微妙に関心を高めており、日本も日銀の金利政策の利上げ動向に注視し始めています。円高、株安に影響し、折角の超金融緩和に水を差し、アベノミクス、輸出に頼る大企業に影響が出かねないことから注視せざるを得ないというところでありましょう。
拉致・核・安全保障問題としての日朝問題も、朝韓トップ会談、米朝トップ会談が予想に反した急ごしらえのトランプ大統領の判断で実現し、最も解決が難しいと言われた朝鮮半島を巡る危機も遠くへ去って、明るい見通しが一時関係国の間を駆けめぐりましたが、その後の進展が案の定予測どおり順調に進んでいないようであります。にわかに中朝、韓、米日の間で再模索を始めなければならない雰囲気になりつつある状況かと思います。米トランプがどう出るか、米頼みだけの日本外交も独自の展開を求められつつあると言えようかと思います。
併せて、トランプ政権の保護主義、自国優先の関税報復合戦に世界の自由貿易の秩序が大きく乱れ始めており、途上国の通貨危機も現れ始めていることから第二次通貨危機の心配も出始めているようであります。
この様な世界の動きの中、政権党である自由民主党の総裁選が9月20日に迫って始まっており、イコール総理大臣を選ぶ選挙ということで自民党内の選挙ではありますが国民の関心も高まってきています。おごりからと言われる問題発言の頻発、首相を含む内閣としての不信感を高める問題対応、官僚の隠ぺい体質による犯罪とも言われかねない事案の多発、セクハラ、収賄に発展した諸事案、そして最近では障害者雇用の水増し問題、それらに対し国民の7から8割が納得しない総体的な説明責任の不十分さ等々、露出した日本国中央の非模範的姿勢は日本の民主的な成熟した政治と思えないような状況でしたこの1から2年の政治の在り方を含めた今後の方向性を委ねる総理大臣を選ぶ選挙でもあろうと思います。自民党議員、党員だけの都合の良い選挙だけでなく、文字どおり過去6年間の公約の達成度と今後3年の方向性をこの機会に徹底して語り合って欲しいと思います。
県においても衝撃的な出来事が突然に起こります。長野県の御嶽山の突然の噴火、草津白根山の噴火、上野村の東邦航空のヘリ墜落、そして今回の中之条町の「はるな」墜落等いずれも自然の営みに対する人間や機械の挑戦の中で起きた悲惨な事故であり、人間の理性、知性を持ってしても自然の神秘・驚異には勝てない人災であります。かといって次から次へと自然への挑戦を目指す人々の救助体制は保持せざるを得ない現実がある限り、防災ヘリや救助要員の保持は必要であり、犠牲になられたスタッフの皆様の崇高な使命と精神に敬意を表したいと思いますし、危険を伴う救助職の絶えない人材そして育成に感謝申し上げたいところであります。稜線トレイル等も見ようによっては遭難可能性大のコースであり、観光の延長線上のコースとして果たして適当かどうか一考する必要もあるのではないかと思いますし、コース自体の出来る限りの更なる安全や入山計画を厳しくチェックする手続きを担保すべきと思います。
さて、我が町においては庁舎建設も当初計画に対し遅れはあるものの、再設定された完成日に向かって順調に進んでいます。移転に際し事務机や椅子、ロッカー、書棚、調度品、照明等の電化製品等、必要新規購入分を分別選定し入札手続に入っており、思った以上の低い落札となり喜んでいるところです。引っ越しについても業者と連携した荷まとめ、搬出、新庁舎への設置等、他町の例を参考に業者分の入札や一連の流れを念頭にしたシミュレーションも開始しています。建築工事、電気工事、機械工事も順次完成へと向かっており、その後は外構工事、植栽工事、検査と移っていく計画であります。先般も計画に沿って見学会も開催したところであります。
小学校再編も平成32年4月に向かって計画どおり進んでおり、校名、校歌、服装、スクールバス(コース、時間、停留所)運行、校舎改修箇所、教室の検討、給食関係、その他諸々につきましても慎重・丁寧にPTA・地域・議会・役場職員等連合で組織された検討委員会で引き続き協議しながら順調な再編に向け進んでいます。
飯野地先のミニ防災ステーション、下五箇の防災タワーの建設はほぼ計画どおり進んでいますし、広域防災無線システム(屋内ラジオ型)も今議会の承認を頂いて発注に進む段取りとなっており、並行して新庁舎工事に基地局整備も盛り込んで進めています。住民登録のある全世帯に無償貸与を前提にこれも町民代表で構成する検討委員会で貸与規則等の整備を進めながら10月いっぱいを目途に各世帯からの申請手続きを終了し、発注確定をしたいと考えています。西日本豪雨被災以来、全国各地での豪雨災害の増加により導入機器の受注が激増しており、生産が間に合わなくなっているとの扱い企業さんの話しから、今年度いっぱいから4月以降の新年度に納期がずれ込む可能性を言及されており、配布完了、実施テストを踏まえての稼働は4月以降と見込んでいるところであります。
最も関心の高い館林市との合併問題でありますが、協議会を重ねて13回を数えました。一定の所までは順調に協議も進みましたが今年3月以降6か月間で2回の協議会開催に留まっています。その大きな理由は今後上程されようとしている議題に対し両自治体の現状に大きな違いが見受けられ、一方に合わせれば大きな財源が必要となり、また一方に合わせればサービスの大きな低下を招き、更に折衷案も出せないという問題がなかなか簡単に解決できないためと考えています。
このことは言い換えると両自治体とも首長の政治姿勢、重点公約、町の歴史風土を踏まえた将来に対する展望、施策全般に対する価値判断、財政内容等の違いから現時点ではどうしても譲り合えないとも思われる状況であります。9月に入り、ちょうど館林市議選が行われることから、その結果をもって協議再開の準備を進めることになると思いますが、来年4月の町の議員選挙も予定されており、一定の期間内に何らかの結論を出すことも併せて両首長や協議会に求められることもあると考えています。この様な状況ですので町民の皆さんの合併の賛否のそれぞれの立場からどうなっているのか等の関心は高まっているとは承知していますが、まだ方向性も含め、合意の難しさを伴う重要案件が解決されていませんので説明責任が負えない状況です。合併協議会だよりの今日までの内容が全てですのでしっかり読み込んでいただきたいと思っています。
主だった取り組みを含め、必要な行政内容に全職員一丸となって連日取り組んでいますが、あっという間に平成30年度も半年程度、平成28年度の決算から一年が過ぎまして、月日の流れの速さを痛切に感じます。平成29年度決算については過日、江田・青木両監査委員さんから「財政も健全に運営され、適切な予算の執行によって福祉の向上と社会の発展に努力されており、行政目的が大方達成されたもの」との評価をいただき「行政改革のより一層の推進と健全財政運営の堅持に更に努力せよ」との意見をいただきました。このことを踏まえ更に町政各般の充実に精力的に対応してまいりますが、まずは平成29年度決算に関わる御審議をいただき、認定いただくと共に平成30年度補正を含む各議案を審議決定いただきますようお願い申し上げまして、開会のご挨拶といたします。