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板倉町

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平成30年9月14日 第3回議会定例会閉会の挨拶

更新日:2021年6月2日

9月4日から本日までの休日を挟んで11日間にわたって審議いただきました第3回定例会、全ての議案につきまして、原案どおり可決いただきましてありがとうございました。質問でも自然災害に対する質問が集中いたしまして、住民の皆さんの関心の高さを痛感いたしております。

“天災は忘れた頃にやってくる”の諺(ことわざ)が、最近は“注意していても必ず毎年やってくる”に変わっているようでございます。開会初日挨拶で、異常な暑さ、台風、自然の驚異、人災、いよいよそのシーズンと申し上げましたが、その夜、最大級の風速を伴った台風21号の四国上陸があり、関西空港を始め、通過コースに沿って、最大級の強風被害に見舞われました。木の葉が風で飛ぶように車が飛ばされ、高潮と重なって数百台の車が一方に押し寄せられた光景や、大型船が座礁したり、衝突したりと、考えられないような光景が目の当たりにテレビに映し出されると、自然の驚異には言葉がありません。

時速80kmで北海道まで駆け抜け、北上するに従って被害は少なくなるとの予測に喜んだのも束の間、今度は、5日早朝の厚真町を震源とする震度7の大地震の発生が続き、大々的な山肌崩壊で40名を超す死者と1000人に及ぶケガ人が発生する大災害に見舞われました。関西空港は台風と高潮で麻痺、新千歳空港は地震と停電で麻痺、その上、北海道全体で3日間以上にわたる停電で全てが麻痺、道民にとって初めて経験する電気・水・食糧のストップ、産業の一斉停止、そして1日百回を超える余震の恐怖は、まだ一週間を過ぎても完全復旧に至っていない状況であり、御見舞い申し上げますとともに、都市機能も一つの災害によって壊れたら、その弱さはいかにありを指し示している状況であります。

これらをみると、ずっと感じてきていますが、異常気象はやっぱり人間のせいかと。大雨、大風、台風、高温、地震の被害、山崩れ、土砂崩れ、建物・道路の崩壊、河川の決壊、どれをとっても地球上の人間のエゴがその原因を作り、それによって人間が一番被害を被り、それを人間の限られた知恵と技術で乗り越えようとし、更にエネルギーを費やし対応することでCO2を増大させ、更に自然界のバランスを崩し、大きな災害を受ける、との繰り返しなのではないかと。他の自然界生物の持っていない人間だけの欲が、結局人間も自然も破滅にもっていく、その道を真っ直ぐに向かっているように感じられるところでございます。

防災に、片田教授の理論が最近脚光を浴びております。「過去に津波が襲った。大被害が出た。それを防ぐための対策として強固な防波堤を築く。安心感が湧いて自然に勝てるような思い込みにより逃げない。想定を超えた津波がくる。逃げないから全滅する。またそれよりも高い人工物(防波堤)をつくる。過去の災害の歴史はこの繰り返しである。これで安心か?NOである。方法は自然との共生が必要である。危険な条件が予知できたら逃げる。防ぐより逃げる、このことに尽きる。自然に立ち向かうことなく、すなわち避難である。これしかない。自然に対抗する勝利の手段などない。」と言っている訳であります。言い換えると、利便性や生活の近代化を限りなく求める程、一時の快適性は高まるが、自然との乖離は大きくなり、被災の程度は限りなく大きくなるとの理論であります。関空の麻痺も、海の中に作ったからこの被災があり、節電をしない今日の社会が多くの発電所(原発)までも必要とし、事故が起これば一斉停電、産業活動の一斉麻痺というこのあり様、復旧しなかったら飢え死にか?ハウスいちごや酪農の牛乳が出荷できずに腐敗で廃棄処分、生きている乳牛は停電で乳も搾れず乳房炎でバタバタ死んでいる、これらをみると、原発の光景と大差のない悲惨さであります。空港が、道路がズタズタ、飲料水を求め人の交流が途絶え、家族が風呂も入れず、配給により真っ暗な夜をロウソクで暮らす。このことがいつ起こっても不思議でない。被災を免れた我々も、そんな薄氷の上で、今現在いるのだということを再認識すべきであります。

「大きな夢には大きな危険が、小さな夢でも小さな危険は潜む」という自然の摂理は必ずある訳で、我々は、どの方向を目指すのか、自然の多い幸と、近代化された幸は、どっちが幸かというような、東京と田舎ではどっちが良いか、今と昔はどっちが良いか、答えのない質問を投げかけられているような気がしてなりません。発展しているのか後退しているのかにしても、まずは取りあえず被災地が正常な状態に早く戻れるよう祈念いたします。

4人の議員さんの一般質問、各委員会での審査、調査を通していただいた意見等、充分参考にいたしながら、この先進んで参りたいと思います。いよいよ秋になり、各部門において活動の実りを喜びとして表すシーズンであります。各種発表会や祭りが、例年どおり最も多い時期となります。体調に留意され、公務に励まれますよう、さらには、議員任期改選まで残り半年となります。次の当選に向かって支持者に対しての活動報告や活動目標を定める動き等展開される重要な時期となろうかと思いますので、精力的に活躍いただきますよう祈念申し上げ、閉会挨拶とします。

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