板倉の水塚
更新日:2023年1月13日
水塚とは
水塚は水害の時に命の架け橋となって私たちの先祖を守ってくれた楼閣のようなものです。水害のときに人や家財道具、食料お、家畜などを守るために作られた建物で、一般には土盛りをし、主屋よりも高くつくられています。一般的に1階が貯蔵場所で2階が居住場所となっています。米や麦の貯蔵のしかたや家財道具の運び入れの工夫、そして、2階の居住空間を広くとるための工夫など、先人たちが築いてきた多くの知恵がつまっています。
水塚の定義
- 敷地内に一部土盛をし、その上に建つ
- 敷地全体に土盛が施され、その上に更に土盛を施し建っている
- 敷地内に一部土盛をしてあり、主屋とともに同じ地盤レベルで建つ
- 堤防を利用してつくられたもの
- その他、地盤の高さは変わらないが、聞き取りによって水害時にはあきらかに「水塚」として使われていた事が判明したもの
板倉町における水塚の特徴
- 規模は3間×2間がもっとも多く、附属屋として味噌部屋がつくられ下屋庇を持つ。
- 水塚上に余裕がある場合には、畑のスペースを取ることがある。
- 配置はほとんどが主屋の側面か裏側に隣り合うように位置する理由としては、土盛があるため主屋前方に置くと日常生活に支障をきたすこと、この地域特有の冬の季節風をよける暴風壁の役割をしていること、水害時に家財道具や穀物などを素早く水塚に移すためと考えられる。
- 堤防を利用し、続けて土盛を施した上に建つ水塚には、標準の規模のものが多いが、堤防の大きさに合わせた水塚では今回の調査からのみ判断すると、水防小屋のような(平屋建ての)小規模な水塚が目立つ。