土地や建物の相続登記はお済みですか
更新日:2022年4月7日
相続登記とは、亡くなられたかたが所有する不動産の名義を相続人のかたに名義変更する手続きのことです。
相続登記をしないと
相続登記をしていない不動産を売買しようとした際、相続登記を完了させた後でなければ、買主の名義に変更することはできません。そのため、速やかな不動産取引をすることができなくなってしまったり、道路事業等の公共工事が進まない等の問題が生じてしまいます。
また相続登記をしないまま放置すると、2次3次の相続が発生し、手続きがますます難しくなったり、所有者不明土地が発生することが懸念されます。
不動産登記制度の見直し
令和3年4月21日、「民法等の一部を改正する法律」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立しました(令和3年4月28日交付)
その中では、登記がされるようにするための不動産登記制度の見直しが行われており、段階的に施行されることになります。
相続登記の申請の義務化(令和6年4月1日施行)
相続が発生してもそれに伴って相続登記がされない原因として、これまで相続登記の申請は任意とされており、かつ、その申請をしなくても相続人が不利益を被ることが少なかったことや相続した土地の価値が乏しく、売却も困難であるような場合には、費用や手間を掛けてまで登記の申請をする意欲がわきにくいことが指摘されていました。そのため、相続登記の申請を義務化することで、所有者不明土地の発生を予防しようとしています。
相続登記の申請義務についてのルール
基本的なルール
相続(遺言も含む)によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。
遺産分割が成立した時の追加的なルール
遺産分割の話し合いがまとまった場合には、不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記を申請しなければならないこととされました。
(注釈)正当な理由がないのに義務に違反した場合、10万円以下の過料の適用対象となります。
住所等の変更登記の申請の義務化(令和8年4月までに施行)
登記簿上の所有者の氏名や住所が変更されてもその登記がされない原因として、これまで住所等の変更登記の申請は任意とされており、かつ、その申請をしなくても所有者自身が不利益を被ることが少なかったことや転居等の度にその所有不動産について住所等の変更登記をするのは負担であることが指摘されていました。
そこで、住所等の変更登記の申請を義務化することで、所有者不明土地の発生を予防しようとしています。
住所等の変更登記の申請義務についてのルール
登記簿上の所有者については、その住所等を変更した日から2年以内に住所等の変更登記の申請をしなければならないこととされました。
(注釈)正当な理由がないのに義務に違反した場合、5万円以下の過料の適用対象となります。